毎日ニーコの様子を妹とメールでやり取りしていたけど、
急に「ニーコ危ないかも」とメールが来たので、びっくりして電話をした。
昨日の夜までもりもりごはんを食べていたのに、今朝はぜんぜん食べない。
ごはんを持っていったら、いつもは小走りに駆け寄ってくるんだけど、
今日はむしろ逃げるんだよ、って。
キャットタワーの中段まで逃げて行ったらしい。
そして、お水も飲まない、と。
脱水症状が起きてると食欲がなくなることもあるなぁって話したら、
少しだけど・・・って、私が言う前にちゃんと妹は輸液をしてあげてたよ。
体重1kg=1本っていうの、なんとなく覚えていたんだろうね。
ニーコの体重が今1.75kgだから、それよりもちょっと少ない量をあげてる。
えらいなぁ。いろいろありがとう

お母さんから常々、
猫は「もうだめだ」って思った時は、お水を飲まなくなるよって言われてたけど。
そうなんだろうか。お別れが近づいてきてるんだろうか。
通院は土曜日の予定だったけど、
もしかしたら土曜日まで持たないかもしれない、輸液も必要かもしれないと話をして、
午後いちばんで診察に行くことに決めた。
それまでは、体温がちょっと低いので、ゆたんぽでぽかぽかに。

たぬきの時の事を思い出す。
カゼかと思っていたのに、急に死んでしまったたぬき。
体温を測って、高熱の後の低温は危ない状態だっていうのを教わった。
ニーコは熱は高くなってなかったけど、この状態で体温が低くなってるのは難しい。
何か、できることはないのかな。できることはなんだろう。
もぞもぞと動いてトイレに行くと、おなかをちょっと壊しているよう。
妹が、昨夜あげたお刺身のせいかなぁ・・・って言ってたけど、
後から思えば、消化する力がもう残ってなかっただけなのかな。
その後もう一度トイレに行った時は、少し塊を出した。
大丈夫かな?病院に行ったら持ち直すかな?
それとも、
今までの猫たちと同じように、体を身軽にしていく準備なんだろうか。
午後の診察は15:30から。
14:25。
妹からの着信ランプの色を見た瞬間、取る前に「ああ・・・」ってわかった。
心臓が止まってすぐの電話。
ひっそりとした春の雨の中、ニーコは旅立っていってしまった。

先日来たメールの写真。
あごや歯茎やホネがよごれないように、ニーコにスプーンで缶詰をあげてたんだけど、
お母さんがジャム作り「専用」だから使っちゃダメ!って言ってたプラスチックスプーン。
これを、ニーコ「専用」にあげたんだよって。
ニーコって書いてあったけど、
ヨーコ(母の名)かと思っちゃった。って笑ってたのにね。
お母さんも妹も、こうやってごはんを食べさせてくれたり、
綿棒でちょいちょい消毒したり、薬を塗ったり。
いろいろがんばってくれて、ありがとう。
いつものうちの猫たちと同じだね。
ニーコも心配かけないように、最期までごはんをもりもり食べて。
このままいけば良くなるかもしれない。
結果的には体を軽くして旅立ってしまうんだけど、
そういう希望と笑顔を与えてくれて。
私や妹のお休みの日を見計らって、旅立ってしまう。
でもね、お刺身はすごく喜んでたんだって。
すごくたくさん食べたんだって。
ニーコ、きっとうれしかったんだよ。
いつもあんなにがっついてたもんね。
ニーコだけの、特別のお刺身、うれしかったんだね。
小さい体でよくがんばったね、ニーコ。
ハルの時は間に合わなかったお刺身。
ニーコには食べさせてあげられてよかった、って妹が泣きながらちょっと笑った。
あの時の後悔が、やっと救われたね。
今は春の静かな雨音と一緒に、大猫部屋のみんなのもとで静かに眠るニーコ。
もどきがそんなニーコに寄り添ってくれてるんだって、メールが来た。
コマの時も、もどきは寄り添ってくれていたんだって。
いつも変わらない優しさが、遠く離れていても目に浮かぶよ。
ニーコ、今度はもっと大きくなって、もっともっと太るように、
お墓の中に一緒に持たせようと、デブ猫たちの毛玉作りをしてくれてる妹。
いつもがんばってくれてありがとう。
夜、私のメールの返信に、
「ニーコ、やっと楽になれたね。
あれほど酷くなければもっと生きていてほしかったけど、よくがんばったね」
そう、お母さんから返事が届いた。ありがとう、お母さん。
ひっそりとした春雨の音は、一人の部屋にも静かに響くんだ。
こんな時の雨音は、猫屋敷で一緒に聞いていたかったなぁ。